"好き"、"嫌い"…
"好き"、"嫌い"…

……"好き"……


「……」


何度目かの結果に、これまた何度目かのため息をつく。
女々しいことかもしれないが、今は流行の占いの真っ最中だ。
そもそもは信じていなかったし、占いなんてものは所詮迷信。…だと思っていた。

だが周りや彼女本人から勧められ、ちょっと試してみようと思って実行に移したのが失敗だった。
姉の翠星石が自分のことをどう思っているかなんて、『こんなもの』で占ってどうする?
しかも何度やってみても結果は同じ。『好き』という結果しか出てこない。

…いや、嬉しいとは、思う。そういった云々を引けば、素直に喜べたに違いない。
嫌われているという概念は、一切と言っていいほどないから。

だけど、どうせならこんな占いの結果なんかじゃなくて、彼女本人の口から聞きたい。


「でも恥ずかしがりやだからなぁ」
「だーれが恥ずかしがりやなのですか?」


思わず口に出していた言葉に彼女が訊き返してくる。
聞いてた? と念のため問えば、当然肯定の返事が戻ってくるだけ。
まぁ別に隠すことでもないし、ちょっと引っ掛けてみるのもいいかもしれない。


「さぁ、誰だろうね?」
「む。蒼星石はいつもそうやっていじわるです。ちゃんと言ってくれないですよ」
「何のことだい?」


わかっていながらも問い返す自分は、なるほど、確かに意地悪かもしれない。
でも彼女もそれをわかっている。だから言葉にも表情にも、怒りなんか見られない。

言葉にしなくても、互いの仕種や行動である程度見通すことができる。
言葉より行動が大事な時もあるけど、でもそれでも、言葉じゃないと伝わらないことだって、あるはず。

今はまだ彼女の機嫌が、斜めにならないうちに。


「ごめんって。ちゃんと言うよ」


思っていること、わかっていること、今は言葉で。
でも、君からも聞きたい。

いつか、聞かせてくれる?




 Fin

 愛情表現で10のお題より 02. でも、言葉で聞きたい
                       (蒼星石×翠星石)



もっと、ちゃんと、君の口から