ねぇ、もうひとりの僕。
僕はいつも君のことを想っているよ。

でも、ただ好きなんじゃない。
ただ愛しているのとも違う。

なら、この気持ちは何だ…?



この気持ちを、何と呼ぼう?




「蒼星石」



君が僕の名を呼ぶ。
一度ではなく、何度も。

その声は僕の心に響くやわらかな旋律。
ずっと聴いていたいほどに、たまらなく好きな奏(おと)。


僕の隣に君が居る。
そのことが、今、どうしようもなく嬉しくて、愛しい。


だから…そう、例えばの話。
当たり前の今を失うとする。作られてから今まで離れることのなかった君と、会えなくなるとしよう。
どうなると思う?


僕はきっと耐えられない。君の居ないことの寂しさに気が狂いそうになるだろう。
悲しくて、寂しくて、恋しくて。
だからきっと君に会えたとき、僕はずっと君を抱き締めているだろう。
周りから騒がれようが注目を浴びようがそんなことは構わない。
ただ強く、君をこの腕に抱いて放さないだろう。

大げさだと、君は笑うかい? ──そうだね。きっと、大げさなのだろう。
僕だってわかっているよ。でも放したくないと思うのだからしょうがない。
だって、君のいない世界に意味なんかないから。

君はきっと笑うだろうね。おかしい、って言って、きっと微笑ってくれるんだ。
おかしくてもいいよ。君が微笑ってくれるなら。


君が居て、僕が居る。
僕はそれだけで充分なんだ。
いちばんに想う君が僕の隣に居てくれれば、他には何も望まない。



「蒼星石、大好きです」


無垢な笑顔で微笑う君。つられて僕も表情が綻ぶくらいに、かわいくて。
ふわりと抱きついてきた君を抱き締めて微笑みを返せば…また、かわいらしい笑顔が返ってくる。
やさしく頬を撫でてやれば、くすぐったそうに肩を震わせて、嬉しそうに笑う。
そしてまた嬉しそうに、僕に擦り寄ってくる。

心臓の音などしない空虚な胸が、高鳴っていく。
ココロを突き動かす衝動が、止まない。


触れたい
この笑顔がほしい
傍にいたい
居させてあげたい



この腕の中から…放したくない



「翠星石」



君は、僕だけのものだから。
誰にも渡さない、触れさせない。



「大好きだよ」









この気持ちを、何と呼ぼう?

君のことが愛おしくてたまらない、この気持ちを。


"恋"? そんな陳腐なものじゃない。

"愛"? そんな嘘臭いものでもない。


そんな言葉では言い表せないほどの気持ち(おもい)が、ただ、胸を満たす。
やさしさが、安らぎが、微笑みが、愛しさが、心に満ちて、溢れてゆく。



君の全てが、どうしようもないほど儚くて、愛しいから。




 Fin


 きみを守りたい、十の御題より G愛している、恋より、もっと強い感情で


 
どうしようもないほどに、愛した君へ。